先日、産地偽装などの発覚が原因で経営再建中だった大阪の高級料亭「船場吉兆」が、再建を断念し廃業届を出したと報じられていました。この事件をめぐっては、昨年10月、福岡市の百貨店内にある同料亭の直営店で、消費・賞味期限切れの菓子や惣菜を販売していたことが発覚し、そのあと本店をも含めゾロゾロと色んな偽装が判明したために営業休止に追い込まれていたもので、今年1月、前社長の妻が社長に就任し、民事再生法適用を申請後営業を再開していたというものです。この記事を見て、営業再開ということにまず驚きましたが、それよりも一番びっくりしたのは、新社長が、“今年1月に営業を再開した後は、かっての常連が戻ってきてくれ、前年と同程度かむしろそれ以上の客が来て経営は順調だった。”と語ったことでした。新社長のいう「かっての常連」とは、それこそ日本の各界を代表する人たちに違いないと思いますが、そんな人たちが、騙されていたことがわかったにもかかわらず、どういう理由でこの店に戻ってくる気になったのか、そこがどうしてもよく理解できません。
ところでわが高岡市は来年、前田利長公が1609年9月13日に高岡城へ入城して開町以来400年という記念すべき大きな節目の年を迎えます。現在、高岡には創業100年以上の企業(店)が100社を超え、中には400年前に創業されたという店もあります。昨年、高岡商工会議所が中心となってこれらの企業を募り、『老舗(しにせ)会』と銘打った会を発足しましたが、これだけの数の伝統ある老舗を擁する地方都市は全国でも稀だろうと誇りに思っています。100年以上も続けてこられたその秘訣は何なのか。ただ古いだけではないこれら老舗企業に学ぶべきものがきっと数多くあるはずに違いありません。
代表取締役社長 塩 谷 雄 一